●入国審査 イスラエルは入出国審査が世界一厳しいと聞いていたので緊張しました。 添乗員さんより「No stamp please」 と言うように言われました。 レバノン、シリア、ヨルダン、リビア、イラン、パキスタンなど対立国のイスラム教の国々はイス ラエル渡航者の入国を拒否しているので、パスポートにイスラエルのスタンプは押さない方がよ いとのこと。それらの国に行かなければ関係ないが。 対立国の渡航スタンプのある添乗員さんは別室に呼ばれいろいろと質問されました。 私たちの審査は普通でした。ほっとしました。 ●出国審査 出国審査は厳しかったです。 一列に並んでかなり時間がかかりました。添乗員さん、イスラエルのガイドさん、イスラエル の旅行社の社長まで来られて私たちを助けてくださいました。 いろいろ質問されます。どこのホテルに泊まったか?荷物は自分で詰めたか?詰めた後ど こに置いていたか?他の人から何か預かっていないかなど。それからスーツケースの]線 検査。ほとんどのスーツケースは開けられた。そこでまた質問。これは何か?どこで買った か?などなど聞かれました。 それが済んでチェックイン、手荷物検査、身辺検査、出国審査でまた「No stamp please」で やっと終わりました。通常の国では出国前2時間ぐらいあればいいのだが3時間前でやっと でした。それだけにパレスチナとの内戦による政情不安は深刻なのでしょう。 ●今また・・・ 私たちの旅行中は何事もありませんでした。もちろんガザ地区や危険地域には行きません でしたが。 要所要所には自動小銃をもった警官がいました。そのお陰で楽しい旅行が出来たのです。 昨年(2006年)11月にガザ地区で成立したイスラエルとパレスチナ武装勢力の停戦で 旅行も大丈夫だったのですが、私たちが帰国した後またイスラム原理主義組織ハマスの ロケット弾攻撃の報復でイスラエルが連日の空爆を行っていると新聞に出ています。 そのガザ停戦も崩壊状態に。 イスラエルという国は日本の四国より少し大きい面積ですが、これは1967年第3次中東 戦争(6日間戦争)で勝利し、そのときに占領した土地を含めた面積で、もし将来それを変 換することになれば面積はもっと狭くなる。占領した土地はエジプトから取ったガザ地区、 シリアから取ったゴラン高原、ヨルダンから取ったヨルダン川西岸の一部である。 1948年パレスチナ人が住む土地に、新たに建国したイスラエルという国家が、パレスチ ナ人の抵抗闘争に遭遇している。皮肉である。 ユダヤ人のガイドであるニロメダさんは、博識で知的な教養人である。この矛盾をよく理 解しながらガイドの仕事に携わっているのがその表情からよくわかりました。 祖父がユダヤ教徒でアルゼンチンからの移民であり、自分も3年間徴兵制度に応じて兵 役に従事している。やっと建国したイスラエルを崩壊させるわけにはいかない。 しかし追い出したパレスチナ人に対する申し訳ない気持ちはいつも心の中にある。なんと か双方が折り合いをつけて平和に暮らす方法はないものか、というのが本音でしょう。 占領地を変換するのはやぶさかではない。パレスチナ建国も結構。自分たちの提示する 条件はただ1つ。その条件はパレスチナがイスラエル国家を認めてくれること。 この紛争は一体どのような結末を迎えるのか。平和裏に解決してほしい。ただそれを願う のみです。 ●シャバット(安息日) イスラエルの生活習慣で、土曜日が安息日。ほとんどの人が休息をとる。 旧約聖書の創世記に神が天と地を創造する過程で「夕となりまた朝となった」とある。 つまり1日は夕方から次の日の夕方までと考えられている。そして7日目に神が休んだので これを安息日にしている。 シャバットは金曜日夕方から土曜日日没まで。金曜の夕方から仕事はしないとのこと。 エレベーターも動かない。商店や郵便局や銀行、バスなどが休むのはわかるが、家庭でも 一切仕事をしない。食事の用意は金曜日の午前中にしておく。トイレットのペーパーを換える のも仕事になるので変えないとのこと。切ってある紙をたくさん用意をしておくそうです。 ●食べられるものと食べられないもの 国民の大部分がユダヤ教徒であるイスラエルでは、ユダヤ教の食餌規定コシェルが食生活 に大きな影響を与えているようです。 先ずは肉に関する規定。食べられる獣肉は、ひずめが分かれており反芻するもの。 牛、羊、シカはOKだが豚、ウサギ、ラクダはダメ。 鳥については、地を這うもの(ダチョウなど飛べない鳥)はダメで、飛ぶ鳥の中でもコウモリ、 ペリカンなど食べてはいけないものがたくさんある。チキンはOK。 魚に関しては水に住む生物のうち、ヒレとウロコのあるもの以外は食べてはいけない。 いわゆる魚類は大丈夫だが、エビ、タコ、貝類、ウナギなどは汚れたものとされている。 そして肉と乳製品を同時にとらないという決まりになっている。 敬虔な人は肉料理のあとのコーヒーにもミルクは入れない。 イスラエルは103ヶ国からの移民の国。従って世界中の料理が食べられる。朝夜はホテルの バイキングですが、着いた日の昼食はイタリアン。いろんな種類のピザやキッシュにサラダにオレ ンジジュース。おいしかったです。他にイスラエル料理、アルゼンチン料理、ベドウィン料理と変化 に富んでいました。 イスラエル料理でよく出たのはピタ、丸くて薄いパン。上の方を少し切って中にいろんなものを 詰めて食べる。もちろん料理の主食として普通のパンのように食べてもよい。 このパンに詰める薬味が4〜5皿、ヒヨコマメのペースト「フームス」、紫キャベツの千切り、 ゴマペースト、トマトとキューリのサラダ、マッシュルームや玉葱が入ったミートソースのようなトマト 味、オリーブやキューリ・カリフラワーなどのピクルスなど。 あと魚か肉料理、果物は柿やバナナ、オレンジ、ぶどうなど。野菜や果物は豊富でした。 |